リフォームしたいけど

実は土地と建物を所有しているのですが、妻子と共に賃貸マンションで暮らしています。所有する家は亡き父が残してくれたものです。父は3年前に他界し、私が相続しました。

結婚する前は私もこの家で暮らしていたので、それなりの思い出もあります。

その家では、現在は母親が一人で暮らしています。自営業でしたので1階がオフィス2階が住居という造りです。

父が亡くなって、母親ひとりでは不安もあると思い、リフォームかハウスメーカーで建て替えを考えなくてはいけないなと考えていました。

母親も同居して欲しい感じのことを言っていましたので。現実的に考えて、現在の造りでは4人が暮らしていくことはできません。

思春期の娘もいますので子供部屋も必要になります。そんなこともあって母親にリフォームでもしますかと言ってみたところ、「家を直すのは私が死んでからにして」という言葉が返ってきました。予想外のセリフでした。

母としては同居して欲しい反面、父との思い出が詰まった家を壊して欲しくないという気持ちのほうが強かったようです。足が悪く、斜行エレベータを使って2階から1階への移動をする母。

そんな面倒な思いをしてでも今の家のほうがいいようです。さらにリフォームや建て替えをすると、しばらくの間は住み慣れた場所を離れる必要があります。

どうやら、その煩わしさもあるようです。また一度家を出てしまうと、介護施設のようなところに入って二度と戻れないのではないかという恐れもいだいているようです。

そうした母の思いを汲み取ると、無理やりリフォームするのもいかがなものかと頭を痛めてしまいます。家の中も、高齢者が使いやすいようにはできていないのですが。

そんなことを色々と考えてみると「家」というものは、ただ居住しているだけのスペースではないんだなと痛感させられます。

柱や壁のひとつにも、それぞれも思い出や匂いまでもが詰まっているわけです。

特に女性にとっては、そうした思いがとりわけ強いものなんだと実感しています。